松阪市小野江公民館
建物基本情報
- 所在地
- 松阪市小野江町大垣内380-1
- 発注者
- 松阪市
- 区分
- 新築
- 工期
- 着手 令和2年6月18日
完成 令和3年3月1日 - 階数
- 地上1階
- 構造
- 木造
- 延床面積
- 401.7㎡
- 工事費
- 201,790千円
- 木材利用量
- 82.8㎥
- うち県産材利用量
- 67.5㎥
- 設計
- 有限会社ピース設計
- 施工
- 株式会社中谷建設
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1木造・木質化を選択した背景
松阪市内の観光スポットである日本瓦屋根の「松浦武四郎記念館」に隣接する立地条件から、その景観に調和した切妻瓦屋根の木造建築を選択しました。本建物は地域に暮らす人たちの生涯学習活動の拠点となることを目的としています。そのため公民館活動の機能充実を図りながら、利用者に木造建築物の親しみ深さや、「見る」「触る」「香る」ことによる木材の温かさを体感する施設づくりを心掛けました。
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2木材の使用箇所や工夫点
建物は在来軸組工法であり、さらに外部に木造の下屋を廻らせるなど「木造らしさ」を表現しています。内部では大空間の高層棟において梁に大断面集成材を使用し、大研修室の天井に露出して見られます。また、ロビーの天井には木造小屋組みが見られることで、木造の趣を感じられます。利用者エリアの内装材には、床にヒノキ無垢材のフローリング、壁及び一部天井にスギ上小節無垢材の小巾板を使用しました。
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3木造化におけるコスト削減の取組
建設地は埋蔵文化財包蔵地にかかっており、また事前の地質調査において地盤の液状化の危険性は低いと判断されました。それらから総合的に判断して建物を直接基礎・地中梁工法で計画するより、べた基礎工法の方が地盤改良してもより地層を保護すると判断しました。また、建物コンセプトからも純木造建築物がその方向性に則していることから木造を選択しました。
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4木造・木質化した感想
利用者からは木の香りが良いという声が多いです。また公民館の活動内容によっては、木の床のあたたかさ、やわらかさが実感できるとのお声をいただいています。子ども参加の講座やサークルでは、活動の前後にスリッパを脱いで遊んだり、靴下で滑ったりと存分に木の感触を楽しんでいます。難点といえば、床が柔らかく傷つきやすいことで、その他は好評いただいています。