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三重県型「耐震シェルター」新タイプとは

三重県型「耐震シェルター」新タイプの仕様

「耐震シェルター」は、現在住まわれている住宅の一階の居室内に設置しますが、床部分を除けば、建物には手を加えないで施行することができます。
「耐震シェルターモデル開発検討会」の座長をお願いした森野三重大学名誉教授からは、本パンフレットの発行に際し、シェルターの仕様に関する次のような解説記事をいただきました。

 近い将来発生する恐れがあるといわれる東海地震、東南海・南海地震の備えとして、住宅の耐震補強が急務となっていますが、ここで紹介するのは住宅全体を補強するのではなく、住宅の一角に頑丈で安全なスペースを確保しようとする発想から生まれた、箱形の「耐震シェルター・六畳タイプ」で、次のような特徴を備えています。

  1. 安価で短時間に居室内に設置できること
  2. 全て三重県産木材を使用していること
  3. 6畳間に収まる大きさで、シングルベッド2台分の置き場所と、要介護者のための介護スペースが確保されていること
  4. 4面全てに開口部(1面には掃き出し出入り口)を設けることができ、住宅の間取りに即応できる融通性を備えていること
  5. シェルターを設置する居室内への搬入と施工を容易にするため、部材をパネル化・キット化したこと
  6. 床張りを標準仕様とすることで完全箱型の構造とし、各種の強度を高めたこと
  7. 居室とシェルターの段差を無くすバリアフリー化を図ったこと
  8. 大地震時の横揺れはもちろんのこと、縦揺れや、既存住宅の崩壊によってシェルターにのしかかる重量にも耐えられるような、十分な強度設計がなされ、実験によって強度が確かめられていること

開発に携わっての感想

 開発に当たって最も苦慮したのは④の開口に関する問題で、窓等を開けることによる快適性・利便性を失わずに、いかにして必要な構造強度を確保するかという点でした。幸い開発プロジェクトに参加された方から優れたアイデアを出していただき、開口を持ちながら十分な強度を併せ持ったシェルターの性能が、実証実験によって確かめられたことで、このシェルターの普及に自信を持つことができました。

完成品の規格(6畳の部屋に収まる大きさ)

  1. 外寸(間口×奥行×高さ):2,424mm×3,404mm×2,310mm
  2. 内寸(間口×奥行×高さ):2,160mm×3,140mm×2,113mm
  3. 本体重量:1,150kg

設置に必要な条件

  1. 部屋の大きさ(間口×奥行×天井高さ):2,550mm×3,460mm×2,400mm
  2. 搬入口(幅×高さ):800mm×1800mm以上
  3. 床組の補強の必要性の確認
    床下の点検を行い必要に応じて大引、束、束石および根太の補強工事を行う。

搬入から設置までの日数

2~3日

価格

70万円程度(税抜き)

  • 狭い路地を通って運搬する場合など、設置条件によっては工事費が割り増しになる場合があります。
  • 床面の補強工事を行う場合は、これに必要な経費が加算されます。
    ≪注≫参考価格は、平成26年11月調査時点での価格とであり、施工事業者や資材価格等の状況により変動します。